20200702DVD第3弾

7月に入りましたが、まだ湿気の多い日が続いています。梅雨明けまでもう少しでしょうか?
5月最初旬にクラシックギタリスト<富川勝智先生>による、クラシックギター奏法伝授シリーズがMOBオリジナル企画として、スタートとなり、東京都世田谷区にあるライブハウスM's Cantinaさんより発売となりました。DVD vol.1「身体を感じる」に引き続き、6月初旬にvol.2「右手を感じる」が、6月下旬には早くもvol.3「左手を感じる」が発売となり、早速購入しました。今回はベーシックな内容とは書いてありましたが、左手こそ深すぎてはまりました。。。クラシックギターを演奏する上で、左手が何より重要だということに数年前から思い知らされてきましたが、このDVDを鑑賞してさらにそう思えました。前回の右手編もそうでしたが、やはり身体とのつながりが重要であることが語られています。その内容を自分で言葉にすることは難しかったですが、頭の中を整理することができました。前回同様、チャプター10まであり、最後には納得のキーワードが出てきて次へ進みます。書き留めておきたいことがたくさんで長くなりましたが、自分なりのまとめと感想を書いてみます。

1:指先と腕の関連
指~腕~肩までの骨を触ってみることからスタートします。指の4つの骨→ルービックキューブのようにまとまった手根骨→手首→前腕(橈骨、尺骨)→上腕→肩(鎖骨、肩甲骨)、この1つのつながりを確認します。現代奏法では左手の押弦は、“大きな腕全体のバランスを使って行っていく”ことが基本となります。まずは人差し指、中指(1,2)指は橈骨側、薬指、小指(3,4)指は尺骨側につながるということを知ることが重要。時に自分の指から腕、肩にかけて触ってみて、意識することが大事だなぁと思いました。

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2:12グループと34グループ
人差し指、中指が12グループ。薬指、小指が34グループである。左腕を回して鎖骨側、肩甲骨側のつながりを感じるエクササイズを行う。さらに左各指と左親指でリングを作り腕を回してみると各指と鎖骨、肩甲骨とのつながりを感じることが出来ます。ここでのポイントは、左腕を動かすことにより橈骨グループ(12グループ)尺骨グループ(34グループ)を感じること、橈骨は鎖骨とのつながりが強い、尺骨は肩甲骨とのつながりが強いということを知ることです。このエクササイズはけっこう効きます!つながりをじわじわ感じられ、よいストレッチにもなりました。

3:指先と鎖骨・肩甲骨とのリンク
2で行ったエクササイズが左手で押弦する時にどう生かされるのか?を実際、ギターを構えて自分で感じとっていくことを実践してみる。左手親指と各指でリングを作り、腕を回すことにより、電流が通った状態になり、感覚が研ぎ澄まされます。その後ギターを構えて各指で押弦するとしっくりと落ち着いて、つながっているなという感覚が得られます。リングを作ることで、押弦の時も引っかかり(重み)を感じられます。決して指だけではなく、左半身全体、大きな腕のつながりで押弦することを再確認しました。鎖骨(身体の前面)は橈骨へ、肩甲骨(身体の後面)は尺骨へつながっていることを実際に自分の身体で感じることが大切だと思いました。
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4:指関節の説明
指の骨は4つ、そして4つの関節(DIP,PIP,MP,CM関節←名称は覚えておくと便利!)があることの復習から始まります。中でも自由に動くMP関節が一番重要。クラシックギターの左手の押さえは握るアクションが重要であり、エレキギターではカントリーグリップ、クラシックギターではクラシックグリップと呼ばれているというお話もありました!それと同時に関節、特にMP関節の動きを意識することが大事である。右手を使って(支えにして)、左手の押さえると鍵型ができ、引っかかり(重み)が感じられ、さらにMP関節を意識して押さえると軽く関節が固められて“はこ”ができる。ここではMP関節が“はこ”の大きさをコントロールする鍵になることを学びました。

5:左指のの押弦アクションと「はこ」
指の関節が一目で分かる模型の“指くん”が登場します。4で学んだハコについてさらに深めていきます。各弦に対するハコの広さは異なり、その広さを変えられることが左手押弦の理想であると!そのハコの広さをコントロールするのはPIP,MP関節であることを“指くん”が示してくれました。ハコを強化する練習方法として、3弦または4弦を使用して左手各1,2,3,4指を引っ張る→戻す、を行います。きれいなアングルで押さえられていれば、ハコのコントロールが可能となる。左の押弦は、鍵型を作って腕全体で行う、ハコの形を作って押さえることであり、このエクササイズを丁寧に行うことが大事です。それと同時に握るというアクションも意識することが重要であることを学びました。
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6:12グループの説明
12フォームの代表格は1指である。12フォームは橈骨から鎖骨へのつながりが強いことを再度思い出す。実際手をぶら~んとしてそのまま左手でギターを押さえようと左手を挙げた時の形がまさに12フォームである。エレキギターのカントリーグリップがまさにこのフォームで、ネックの裏側の親指は6弦側に近い。12を意識しているフォームである。弦を移っていくときに注意することはハコの広さを意識すること。腕でぶら下がっているなぁという感覚を感じられることが大事で、確認するためには親指を外してみるとよい。チェロ奏者や琵琶法師のように?ギターを立ててみるとぶらさがりを感じやすい。2指も同様であるが少し角度が異なるので、バランスを整える。12フォームは自然の感覚でできるフォームですが、その時、握っている感覚、関節を意識してロックする、腕全体でぶら下がっている感覚を忘れてはならないなぁと思いました。
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7:34グループの説明
続いて、34フォームです。34フォームの代表格は4指。34フォームは尺骨から肩甲骨へのつながりが強いことを再度思い出す。チャプター6の12フォームと同じようなことを行いますが、今度は手のひらを前にして小指側がネックにコツンと当たるようにします。この動きだけでも肩甲骨を開くよいストレッチになります。気持ちいいです!実際に3弦を4指で押さえた時、ネックの裏側の親指は、今度は1弦側にあります。引っかかってるなぁ、はまっているなぁというイメージを持つ。坂道を滑らないように耐えているイメージとのこと、分かりやすいです。さらに12フォームから34フォームへ移動してみます。この時、橈骨~鎖骨側→尺骨~肩甲骨へと重みが移っていくのを感じること。腕を回した時に肩甲骨が体幹へ向かうようなイメージで、肩甲骨がどれだけ柔軟に動くかがポイントとなってくることを知りました。左手の押弦を習得するには肩甲骨の動きが鍵となる!このチャプターはとても深かったです。知っているようで知らない・・・新たな発見でした。

8:12グループと34グループの連結
前のチャプターで学んだ12フォームと34フォームをどう連結していくかについてです。自然に左腕を上げた時には1指が1弦あたりにぶつかり、手のひらを前にして左腕をあげた時には4指が4弦あたりに行きます。これを同じ弦にするにはハコの形を微調整してバランスを取ります。1→2→3→4へ移動する時は、橈骨側から尺骨側へ軸を感じながら行うこと。ネック裏の親指はあくまで目安であるので力を入れて握らないこと、ハコを意識して腕全体で押弦するという意識が大切です。各指で居心地の良いポジションを見つけていきたいです。

9:クラシックグリップ
ついに・・・ここまで来ました!これまでのことを応用してクラシックギターらしい押弦を考えていきます。3弦5ポジションに1,2,3,4を置いて順に押さえていく時には12フォーム、34フォームは常に意識して、重心を移していくこと。腕全体で行う。4つの指を置いたまま弦を移る時は、各弦ごとのハコの微調整が大事である。また、6弦側(低音弦側)を押さえる時には34フォーム、尺骨側を、高音弦側(1弦側)を押さえる時には12フォーム、橈骨側に重心をおくことをイメージすること、これも改めて再確認できたことです。先生のお手本のハコの形の変化がとてもきれいで、はまっている!というのが分かりました(写真を見て下さい!)。各指の重心を感じつつ、今、12フォームなのか?34フォームなのか?を感じ続けることが重要です。
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10:身体と押弦
今回は左手に関してですが、右腕も左腕も機能は同じで、身体の中心につながっています。体幹からすべての作業がスタートしていくということです。身体の中心を意識して大きなパーツを使って弦を押さえていくことが理想です。興味深かったのは、体格の違う西洋人と東洋人の身体の使い方です。西洋人は身体の前の方のパワーが強く、橈骨側のバランスを使っている奏者が多いとのこと。東洋人は身体も手も西洋人に比べると小さいので、背中側からパワーを使う、肩甲骨側からうまく使っているとのことです(相撲がまさにそうなのですね。)。左に関して言えば、12フォームも34フォームも体幹を感じることが最重要です。できるだけ身体の大きなパーツを使ってエコノミーに行う。決してリラックスすることではない。骨のつながり、身体の仕組みを知った上で、いろいろ試して、ぴたっとはまるところを見つけていくことが大事です。日々のエクササイズで肩甲骨が柔軟に動くようにトレーニングしたいです。
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今回、左手に焦点を絞っての内容でしたが、自分で試せるエクササイズや練習法も紹介されていていたので、DVDを観ながら、“あ、ここだな。”とか自分ではまっている感覚を感じたりして進めていくことができ、とても勉強になりました。実践編です。身体の中心、体幹からのつながりをうまく使うと、無理な力をかけなくてもエコノミーな押弦が出来ることを実感することができ、まだまだ改善できることがたくさんあると思いました。何より、“居心地がよい”というのが大切なのだなぁ~と。それを証明してくれたDVDです。ここに書き留めたことを日々意識しながら。。。ギター演奏に少しでも役立てていきたいです♪
なんと・・・vol.4もあるみたいです!次はまたすごい内容になりそうですね。楽しみです(^^♪

詳細はこちらのリンクです。
https://tomikawaguitar.sakura.ne.jp/wp/2020/07/03/%e5%a5%8f%e6%b3%95%e4%bc%9d%e6%8e%88dvd-vol-3-%e7%99%ba%e5%a3%b2%e4%b8%ad%ef%bc%81/
20200704yuri
毎年楽しみにしている“てっぽうゆり”が見事に美しく咲きました。記念にアップします。
花言葉は「純潔」「甘美」です。